NYCのMuseum of Sexに行ってみたレポ!中編

お土産・アダルトグッズコーナーを物色していたら、思いのほか時間を使っていた。ハッと我にかえり、そうだ自分はミュージアムを見学に来たのだったと思い出す。見学の前にトイレに行っておこうと思い、トイレのある地下一階に降りる階段にさしかかったところで、こんな言葉が。

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「降りてらっしゃい。」 最近になってようやく、英語の言おうとしていることを感じ取り、日本語に上手く手渡す作業が出来るようになってきた気がする。私にはこの言葉が、誰かが耳元で「降りてらっしゃい。」と小さく呟いているような気がした。 そのまま階段を下りていく。 トイレを指し示すサインを見て、思わずカメラのシャッターを押した。

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「どっちでもいいわ」と、また誰かが呟いている。そんな声がする。その素っ気なさに、私はひとり嬉しくなる。 用が足せればそれでいいんだよね。ほんとうに、どっちでもいいわ、って、私もそういう感じだ。

地下一階からまた階段をひとつ上がり、お土産コーナーのその奥に歩いていく。一本の細長い廊下。そこを抜けると、小綺麗なカウンターが用意されていた。数人が列をなしている。 入場料は少し高くて、20.5ドル。学生割引も特にないので、そのままの金額を支払う。カウンターの上にはiPadがどんと乗っているだけ。カードで支払いを済ませ、iPadに電子ペンで署名をして会計は終了。カウンターの先で待っていたスタッフが、私の手首にシールを巻く。これが入場券だ。わくわくする。

まずスタッフに案内されたのは、人がいないがらんとしたダンスホールだった。

Night Fever:New York Disco 1977-1979, THE BILL BERSTEIN PHOTOGRAPHS (夜の熱狂:ニューヨークディスコ 1977-1979, ザ・ビル・バースティン写真展) f:id:jamsponts:20171107135557j:plain

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(2点とも公式HPより)

本当に、文字通りのダンスホール。手前にはテーブルとL字のソファーがところどころに、奥にはバーとカウンター。バーの後ろには、背が高いお酒や背の低いお酒がぎっしり棚に収納されている。どうやら、夕方を過ぎると、ここは本当にダンスホールとしてオープンするらしい。私が訪れたのは昼過ぎだったので、今はただのダンスホールだ。そのホールの壁には、たくさんの写真が飾ってあった。ここと同じようなバーでお酒を飲みかわす若者の姿が写っている。おそらくゲイコミュニティのメンバーたちなのだろう。そう、そのダンスホールとは、アメリカにおいてゲイコミュニティがどのように発展をしていったのかを紹介する展示場でもあるのだ。 ダンスホールを出ると、支払いカウンターとの間の廊下をさらに奥に進むように案内される。指示されるがまま進む。

OBJECTXXX

f:id:jamsponts:20171107135511j:plain (公式HPより)

ここは、OBJECTXXXという展示コーナー。文字通り、セクシャリティにまつわる様々なObjectが展示されている。どれもこれも、個性的。 例えばこれ。

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コンドーム専用の自動販売機。いまから数十年前に、アメリカで実際に使用されていた機械だそう。日本は自動販売機が道路のあちこちにあるけれど、さすがにコンドームの自販機は見たことがない。ホテルやスーパーやコンビニなど、身近なところに設置してみたらどうだろう。(とふと提案してみたくなる)

それからもうひとつ、私の印象に強く残ったのがこちら。

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一見すると、ただの綺麗なドレス。

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だが実はこのドレス、使用済みのコンドームで編まれている。HIV啓発運動の一環として作成されたらしい。近くで見てみると、確かに一般的な素材とは異なる素材であることが見て取れる。

それから、おまけでこちら。

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これ、全然趣旨が分からないのだけれど、自転車の先端にペニスがくっついている。自転車を漕ぐと、ペニスが前後にばこばこ動くという仕組み。私も試しに漕いでみた。周りの見学客が異質な目でこちらを見つめている。ここはアメリカ、自由の国アメリカ。でもみんなの目が、ぽかんとしている。何なんだこれはって目でこちらを見つめている…!恥ずかしい…!自分が恥ずかしいっていうより、この自転車が恥ずかしいのだが、数秒ですぐ降りた。なんのための自転車なのか、最後まで私にはよく分からなかった。それでも、漕いでみたくなってしまうのが私の性だった。

この展示場の外は、少し暗めのライト。OBJECTXXXのその先に、まだ何かある。スタッフがふたり談笑している。そしてなぜか、その先だけテープが張り巡らされており、スタッフに声を掛けないと中に入れないらしい。どういうことだろう?その先はなんなんだろう?疑問に思って近づいてみると「追加料金を払う必要がある」と言われた。追加料金? せっかくだから行ってみようかと思い、その先のコーナーに関する説明書きを見て、いろんなことにすべて合点がいった。

「この先の部屋に入れる上限人数は2名までです。必ず靴を脱いで入ってください。この先の部屋は、このミュージアムに来場した人同士が、性を通じてコミュニケーションを図る空間です。楽しんで!」

あれか、ここ、ハッテン場だ!

私はそれはやりたくないので、そのまま次の展示会場へと移動した。いやしかし、こういう部屋を用意するセックスミュージアムも、なんだか粋だなぁと思った。そりゃそうだ。ここはセクシュアリティについて学ぶ場所。見るだけ、聞くだけで終わるのではなく、そこで吸収したものを実践して、人とコミュニケーションを実際に図る場所があっても、まったく不思議じゃない。それにしても、テープを囲んだすぐ先がハッテン場になってるだなんて、驚いた。おもしろい!

地上一階はそれですべての展示がおしまいだった。それから今度は、階段を一つ上がる。少し狭い階段。人は多い。 階段の階数と展示の順番を忘れてしまったので、記憶の新しいものから紹介していこうと思う。

まずは、こちら。

NSFW:Female Gaze

f:id:jamsponts:20171107141209j:plain (公式HPより)

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Male gazeという言葉がある。男性的な視点のこと。これは説明するのが難しい。自分もきちんと理解していないのだが、女性性やその象徴である女性器を、性的な眼差しでしか捉えない状態のことを、male gazeというのだと私は思う。それを、女性たちが自分たちの目線で、自分たちの性や性器を見つめ直せるようにしよう、目線を取り戻そうという取り組みが、このNSFW:Female Gazeだ。

部屋に入ってすぐ、右手側に並べられた3枚の写真を見て、私は息を呑んだ。その写真が美しかったからだ。どの写真にも、森や山や大地の中に女性が股を広げて佇んでいる。その写真は、大自然に溶けこんだヴァギナを写していたのだ。ObjectXXXでも、女性マネキンが足を広げて座っている姿があったり、ありのままのヴァギナがあちらこちらで切り取られている。ここもそうだ。私はその女性器を見つめて、ただ、美しいなぁと思った。

それから先ほどの写真にも写っていたが、Tシャツにアンダーショーツのラフな格好をした女性が、ショーツからはみ出る陰毛を片手でいじっている彫刻。これも、大胆で、私は好きだなぁと思った。けだるそうで、めんどくさそうに、陰毛をいじる女性。でもそれは、私たちの周りにありふれている日常だ。 ああ、楽しい。どの作品を見ていても、なんだか解放されたようで、息がしやすかった。

どうやら、もうひとつ記事を跨がないと最後の展示まで辿り着きそうにないので、もうひとつ記事を書きたい!

次回、後編へと続きます!