痴漢という犯罪に向き合う。

すこし前にテレビ番組で「痴漢冤罪の防ぎ方」を特集していた。「あなたのお父さん、あるいは兄弟、あるいは息子さんが冤罪被害にあうかもしれません。これは皆さんにとって身近な話なのです」と始まり、電車の中で痴漢に間違われないためにはどうすればいいかについて、懇々と説明していた。
私は正直、はなから疑問だらけであった。まず、痴漢の特集を組むのならば、いちばん注目するべきは痴漢に遭った被害者である。だから、「痴漢被害に遭ったとき、まず何をするべきなのか」について説明をするべきである。その番組は、被害者からの視点については一切言及していなかった。どうして、被害者の危機的状況での対応より、痴漢冤罪を優先して特集しようと思ったのだろう?私は素朴な疑問を抱かざるを得なかった。
痴漢もレイプもそうだけど、日本においては「性犯罪の被害に遭ったとき、どういう行動をするべきなのか、どこに相談できるのか」という情報が全く公開されていない。それは、学校教育においてもたいして通達されていないような気がして怖い。どこにも相談、通報することもなく、「マジで腹立つわあいつ」と愚痴にする...ことで解消している、あるいは黙認することが社会の通例になってるなら、それは悲しい。変えていきたいと思う。
 
再三紹介しているが、AbemaTVの「Wの悲喜劇」という番組がとてもいい。
性教育特集では、性犯罪の被害に遭った場合、まず何をするべきかという細かい手順が専門家によって説明されていた。こういう話を、もっといろいろなところでオープンにできる社会でありたいなと思う。もちろん、いちばんの理想はそういう話をしなくてもいいような、性犯罪が起こらない社会であることだ。

そして、次に違和感を覚えたのは、痴漢冤罪の被害者を女性と、加害者を男性と決めつけたうえで企画構成が組まれていたこと。これは変だ。
痴漢冤罪保険というのが存在するらしいが
、私からすればちゃんちゃらおかしいなと思う。確かに痴漢冤罪はとても複雑かつその人の人生を狂わせかねない恐怖であると思う。水谷豊が痴漢冤罪と断定され、裁判で闘う男性を演じたドラマを見たことがあり、とても気持ちが重くなる内容だった。しかし、痴漢被害に遭った人々への救済がたいしてなされていないなかで、どうして冤罪に対してのみ、表面上の応急措置のように対応がなされていくのかが理解できない。そんなことをふと思った。