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Twitter観察日記:北海道大学の図書館痴漢問題

考える 斬る

 久々のブログ更新。芸能人・有名人・企業などによるマーケティング利用を除けば、Twitterとは基本的にみんなが匿名で言いたいことを言い合う場所である。誰も自分の発言に責任など持ってない。論旨や議論展開がちょっと変だからといって、だれもあなたを責めたりなどしない。それが美点でもあり、難点でもある。本当に身のある議論をする土台ではないから、Twitterで誰とも知らない人間と議論めいた長文交わしてのやり取りなんぞ時間の無駄だと思う。そんなことやったって、しょうがない。スカイプなんかで直接顔を合わせて、「今日のコメントどういう意味ですか?」と聞きあうくらいしたほうが、よっぽど真剣みがあるし、時間がかからないし、互いの意見の誤解も少なくなる。

しかし、だからといって相手に何も返事しないと、相手の言い分を認める・黙認することにも繋がるので、多くの人はその場で何か言い返すのだと思う。今回はその話。

 

猫耳帽子さんの主張は以下のとおり。

・女子学生が痴漢に遭うから女子専用席を設けた

・「男性差別!」という苦情が殺到する

・女子学生の専用席が即刻廃止された

・痴漢被害側である女性より、痴漢加害側になりうる男性の立場が考慮されるのはおかしい。

 

難しいよね。ひとつひとつ見ていこう。

・女子学生が痴漢に遭うから女子専用席を設けた

地下鉄などでも、女性専用車両がありますね。朝の込み合う時間帯のみ、一部の車両が女性専用となる。込み合う電車だと、人目をうまくごまかして女性に対して痴漢をはたらく男性がいることから、痴漢被害を少しでも減らすことが目的なのでしょう。

セクハラは1989年に流行語大賞を取り、現在は学校・職場などで普通に使われる言葉になりました。セクハラは「性的嫌がらせ」で痴漢は「性的犯罪」ですよね。説明するとしたら。セクハラのほうが嫌がらせとしての認定率がまだまだ低いような気もする。痴漢は犯罪としての認定率が徐々に定着してきているような気がする。

www.fujitv.co.jp2009年のフジテレビのドラマ「誰かが嘘をついている」。

主演は相棒で有名の水谷豊さん。強制わいせつの疑いで拘留されるサラリーマンの闘いのお話。ネタバレすると、最終的には無実を証明する現場証拠と映像証拠が認められて、身の潔白が証明されるという話。痴漢容疑で拘留されると、よっぽど有力な証拠がない限りは99.9%、ほぼ有罪となるらしい。

話はどんどんそれるけれど、セクハラが外来語なのに対して、痴漢は漢字ですよね。

だれかが作った言葉なのかな?結構昔からあった言葉なのかな?いつから使われ始めたのかな?痴漢って言葉は、いったいいつから使われるようになったんでしょうね...。

今度調べておきます。

話は戻る。

女子学生が痴漢の被害にあったから、専用席を設けた。

なるほどね。図書館側としては、女子学生の専用席を設けて男子学生の立ち入りをある程度抑制したほうが、痴漢が減ると考えたのだろう。

・「男性差別!」という苦情が殺到する

苦情があるのはわかるし、気持ちも察する。特に、「自分が痴漢なんてするわけない」と思っている男子学生の図書館利用者。彼らからすれば、ごく一部の学生のせいで、自分たちまで不利益を被るわけだから。

ただ、やはり気になるのは一点。

差別。

この言葉を使うときに、いつも自分は躊躇する。特に、男性差別という言葉を目にすると、物凄く違和感を覚える。差別とは、差別者と被差別者という2つの立場があって成立する言葉だ。言葉のままの解釈でいくと、次のように説明できるだろう。

女性差別とは、だれかが女性に対して差別すること。

男性差別とは、だれかが男性に対して差別すること。

以前のブログでも書いたのだけれど、男性と女性という言葉は、そもそも不平等な関係にある言葉だと思ってる。

 

jamsponts.hatenablog.com

 

念のため強調しておきますが、女性と男性という二つの単語にはさまざまな解釈と定義が存在します。

私は、

女性:性差というファクターによって、社会的弱者となる人々

男性:性差というファクターによって、社会的優位性を得る人々 と定義します。

ブログをはじめたきっかけと学問紹介 - JamsPonts.

 つまり、簡単に言うと、

男性は社会的に強い立場で、女性は社会的に弱い立場だということ。

話は戻るけれど、図書館に女子学生の専用席をつくったことで、一部から「男性差別!」という声があがった。ここでいう男性差別の差別者って、誰なんですかね?

女性?男性?

なんか自分でもよくわかんなくなってきたけど、男性差別って言葉はなんかオカシイと思うというのが私の結論なのです。社会的優位性を持つ立場の「男性」と、被差別者を擁護するための「差別」が、なんか噛み合わない。社会的優位性をもつからといって必ずしも差別者だとは限りませんが、なんか、なんか変な感じがするのです。ここがまだ言語化できない。

・女子学生の専用席が即刻廃止された

うーむ。まぁ、専用席を設けることによって、本当に痴漢がなくなるのかといったら、それは大いに議論の余地があるとは思います。それにしても、難しい問題。

・痴漢被害側である女性より、痴漢加害側になりうる男性の立場が尊重されるのはおかしい。

北大の男女比率も考慮しないと、よい解決策は見出せないのではないかと思いますね。うむ...難しい。

 

ちなみに、猫耳帽子さんに対してアグレッシブにリプライしている方がいたようで、猫耳帽子さんも反論を繰り返していた。ちょっとその様子をのぞき見ます。

 

 ごく一部である痴漢のために全男性に規制をかけようとするからでしょうね。女性専用があるのに普通の席に座る女性は?罪無い男性は席を制限されるだけですか?やるなら徹底的に。男女キッパリ分けるなら文句は出ないと思いますが?

主張①:女性専用席を利用しない女子学生は何者なのだ(?)

主張②:男子学生の専用席もつくるべきだ

”やるなら徹底的に。”

この言葉、興味深いですね。

主張②に対する反論:女性専用席は全体の5%ほどしかないので、男子学生の図書館の利用環境を奪うことはない。従って、男子学生の専用席を設ける必要性はない。

主張①に関しては何も言及されてません。

女性専用席を利用しない女子学生は何者か。どこの席に座ろうが、図書館であろうが電車であろうがオフィスであろうが、女性は痴漢に対して少なからず警戒心を持っていると思います。その事実と、専用席を使うか使わないかは別の話です。

「専用席があるのに、あえて普通席を使う女性は、痴漢してもいいってことだろう」

それは傲慢な意見ですよね。

女性は普通席を使うか、専用席を使うか、選択する自由がある。

なぜその自由があるのか。それは、自分たちの権利を主張し、声をあげてきた女性たちがいるからです。

「痴漢に遭うのが怖いから、女性専用席を設けてほしい」。そう声を発することができるのは、痴漢被害にあった当事者である女性たちだけです。そうやって声を上げるのには勇気がいるから、その勇気を称えて、女性たちには座席を選ぶ自由があるんです。

これも話し出すときりがないけど、ジェンダー学や女性学当事者学問としての側面が強いです。

私はゲイだ。

私は女性だ。

私は当事者だ。こうしたい。こういうことを変えていきたい。そう声をあげる人たちによって大切に築き上げられてきた学問です。ゲイであること、女性であること、何かの当事者であること。当事者であることを決定できるのは、自分自身だけなんです。

他人によって「お前はこういう人間だ」と決め付けられたって、それは意味を持ちません。勝手な意見なのかもしれないけど、自分が当事者であると決められるのは自分だけ。だと思います。

どうやら理解が出来ていないらしい。 私は痴漢被害を無くすために徹底的に男女分けろと言っている訳で痴漢擁護の意図は無い。男女分ければ文句も言いようが無い上にあなたの様な男性は罪と言いたいだけの人も減るでしょう。

 主張③痴漢被害を無くしたいなら徹底的に男女を分けるべきだ

主張④猫耳帽子さんは男性を犯罪者呼ばわりしているだけだ

 このあたりからよくわからなくなってきたぞ。

主張③の反論:男性をまだ信頼しているほうなので、座席の完全分離には消極的である

主張④の反論:男性全員を犯罪者予備軍と意図したつもりはない

「男性を信頼しているので」ってどういうことなのだろう。男性を信頼しなくなったら、座席の完全分離もいとわないってことなのかな?

なんかなぁ。なんだろうなぁ。女性専用席を設けることが、必ずしも男性に対する排除ではないと思うんだけどな。なんかぐるぐると熱が回るだけで、うまく言葉にできない。

まぁそもそも、「痴漢を撲滅するにはどうしたらよいのか」という議論だったはずが「図書館の座席を分けるべきか否か」という議論にすり替わりつつある気配も否めない。座席の工夫なんて、もしかしたら痴漢犯罪にはまったく関係性がないかもしれないしね。

この図書館では自習室で眠っている女性に対して痴漢があったらしいです。あなたの様な信頼感の示し方をする人も居れば寝るくせに専用席を作るなと批判をする人も居るわけです。それを男性のわがままで廃止されたと言うのは筋が違うとは思いませんか?

主張⑤:睡眠を取る学生に対して、わざわざ専用席を作る必要はないという意見もある

主張⑥:女子学生の専用席が廃止された理由が、男性からの苦情であると決め付けるのは筋違いだ

あれー、ますますわからなくなってきた。

痴漢被害にあった女子学生は、図書館で眠っていたらしい。

図書館は眠る場所ではない、そんな人のためにわざわざ専用席を設ける必要はない...?

えちょっとまって。よくわからない。

痴漢の話をしていたはず。とりあえずこの意見に対する回答に飛びます。

 主張⑤の反論:睡眠中の痴漢被害は1件のみであり、ここでの議論の中核ではない。睡眠中であれ、なんであれ、痴漢が犯罪であることは変わらない。

もう、ちょっとだめですね。話がずれてきてる。

男子学生による女子学生への痴漢を撲滅するにはどうしたらよいのかを議論したいはずなのに、寝ている学生とか、図書館の座席確保とか、どんどん話がよくわからない方向に進んでしまっている。

でも、もう少しだけ会話の続きを見てみよう。

誰が寝ている人に痴漢して良いなんていっているんですか?自習室で寝に来るなら専用席作るより家で寝ろという意見ですよ?あなたは女性が安心して寝られる自習室をお望みなんでしょうか? その前に卑劣な痴漢を捕まえやすい環境作りが優先ですよね。

もう主張の論点をまとめるのは省略します。ちょっと疲れてきた。

 

 話の本筋に戻ってきたようです。

私が批判の理由の一例として寝ている人を出した事が伝わりにくかったですか? 私は痴漢抑止のためなら男女キッパリ分ける、痴漢を捕まえるなら見張りや見回り、監視カメラの設置が必要で女性専用席は反感と男性批判の誘発にしかならないと思います。

主張⑦:男女隔離が痴漢防止につながる

主張⑧:痴漢を撲滅するなら、女性専用席を設けるのではなく、見張りや見回り、監視カメラの設置を急ぐべきだ

なんか、話がわかりやすくなってきた。

⑦は理解し切れません。説明不足。でも、⑧は一理あります。そもそも、女性専用席をつくるということの意味合いが、私には把握しきれない部分が大いにある。なぜなら、女性専用席をつくることは、男性(ここでは痴漢の加害者を指す)に対しての抑止力にはまったくなっていないから。

専用席をつくることによって、女子学生はいわば、痴漢をはたらく可能性のある男子学生から「避難」するわけです。

つまり、専用席設置は、女性に対して痴漢からの防衛を促す策だと思うのです。

でも、本来は、痴漢、性的暴行、セクハラ。これらの犯罪行為を本当に無くすためには、加害者を減らさないと意味がない。被害者に対する注意喚起をすることは大切だけど、加害者への対応策なしで注意喚起したって、意味ない。加害者を減らすためには何ができるのか。その点で、主張⑧は生きてくると思う。

見回りや見張り、監視カメラ設置。あとは、大学内のハラスメント指針や痴漢に対する厳罰強化。こういったことが必要になるのだと思いますね。

 応急処置という言葉が説得力を持つような気がします。専用席をつくることで、問題の根本的解決になるわけではない。それでも、注意喚起や巡回をしても、やはり犯罪が起こってしまったので、ひとまず専用席を設けることで女子学生に避難してもらうことにした、と。

 

 はぁ… あなたはね、現状況および対策についてのみ見解を示すただの批評家に過ぎないんですよ。このような状況だからこそどうしていくべきか模索するのがフェミニストの本質では?あなたの行動は野次馬のそれと何ら変わりないですね

フェミニスト、という言葉が登場したことに驚きを隠せない。

どういう文脈でのフェミニストなんだ...?

どちらにせよ信用していないと私は感じていたから、男女キッパリ分ければ批判は無断で女性専用に入った痴漢だけにいきますし、罪の無い男性も疑いの目をかけられる事無く図書館を利用出来ると思った訳です。説明不足ですみません。

あれ、なんなんだろう。女性専用に入った痴漢だけにいきますし、ってどういうことなんだろう。普通席での痴漢は黙認されてしまうのだろうか?なんだかもやっとするんだけど、もはや言語化できる要領を超えているので、ひとまず最後までみていきます。

 

痴漢加害者としての男性を到底信用できない、という猫耳帽子さんの気持ちが、このTweetによってはっきり押し出されている印象があります。うん。難しい。

男女の見解の違いのようですね。 お互い痴漢撲滅という目的は一致しているのに、という悲しい議論でした。 色んな観点から痴漢撲滅のために考えましょう!

男女の見解の違いって、どういうことなのかな。

被害者から見える景色と、加害者から見える景色が違うから、これ以上議論しても埒があかないですよ、という結論に達した、ということなのだろうか。

 もはや応答も応答にすらなっていないですね。自分に対して、不条理な社会に対して呟いている印象を受けます。

そうして、二人の議論は終わる。

北海道大学図書館での痴漢事件をめぐったツイートでのやりとり。

議論は途中で道をはずれ、互いが互いに感情的な議論でした。それでも、第三者的な観察を通して、沢山のことを学び取れたような気がします。

 個人的には、相手の方がフェミニストという単語を持ち出してきたことがびっくりしました。あんまり安易に使われると動揺します。

フェミニストって、そもそもメディアの影響のせいか、ものすごくネガティブなイメージを持たれている言葉だから。本来はもっといろんな解釈や個性があるはずの言葉だけど、男嫌いなうるさい女ども、みたいなイメージがこびり付いてしまっている。

いやだなぁ。

佐藤優さん、北原みのりさんの対談を収録した「性と国家」。ブログを書きながら思い出した本。

この本に痴漢の話はあまり出てきていないけれど、AKB48児童ポルノに該当するのか否か、性を国家に統括されるとはどういうことなのか、男性がこれからフェミニズムを勉強する必要性は何なのか、たくさんのことが書いてある。慰安婦問題については、全体の半分以上のページを割いて、特に焦点を絞って議論されている。読む価値のある一冊だと思う。

性と国家

性と国家