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むずかしい国籍のおはなしを簡単にまとめてみました

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国籍についてのはなし。

citizenship(市民権)とnationality(国籍)は現在はどちらも同じような意味で使われている。

国籍とは、法律的な所属先のことを指す。あなたはどこから来たのか?あなたの所属先はどこなのか?国籍の定義はそんな感じで、国籍の決め方は国によってだいぶ異なる。

①Jus soil

これは、生まれた場所によって国籍が自動的に与えられるというルール。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどではこのルールが適用される。親が外国籍であったとしても、こどもがアメリカで生まれたなら、そのこどもはアメリカ国籍を取得する。

illegal/undocumented immigrants(不法移民)の場合も同じ。アメリカに移住してきた人々が外国籍であったとしても、彼らの子どもがアメリカで生まれたなら、彼らはアメリカ国籍を取得する。そのため、不法移民のこどもたちは差別や偏見にさらされることが多い。

②Jus sanguinis

これは、血統によって国籍が与えられるというルール。日本、韓国、ドイツなどで適用される。ドイツは比較的Jus soilの考え方も取り入れつつあるので、状況に多少の変化はある。生まれた場所にかかわらず、親の国籍をこどもも引き継ぐ。日本人の親からうまれたアメリカにいるこどもは、日本という国の基準では日本人となる。逆に言えば、親が外国籍の日本で生まれたこどもは、日本国籍を取得することはできない。

在日韓国人在日ブラジル人などが日本国籍を得ていないケースが多いのもこのルールのため。

では、国籍はいちど与えられたらもう絶対に変更することはできないのか?そんなことはない。自分の望む国籍を取得する方法は存在する。それがnaturalization(帰化)である。

ちょっと関係ない話を挟むと、naturalという言葉ほどnaturalでない言葉もない。日本語で話している時は「そんなのあたりまえじゃん」「決まってるよ」「当然だよ」「自然」という言葉が会話の端々から聞こえてくるが、これはおそらく「みんなとりあえずおんなじだよね」という暗黙の考えがあるからだと思う。みんな、良いことや悪いこと、考えていることが同じに決まっているという暗黙の了解。これがあるから、naturalという言葉をnaturalに使う。でも、本当はそれらはぜんぜんnaturalではない。「みんな違う」ということが暗黙の了解なのだ。だから、人種差別も性差別もしてはいけない。自分の物差しで自分と他人の違いを馬鹿にしたり笑ったりしてはいけないのだ。

ベトナムに旅行してきた友人と以前ライン電話をしていて、「ベトナムって世界地図でいうとどこにあるの?」と聞いた。すると「えええ~、そんなことも知らないの」と笑われた。悲しかった。自分の無知を笑われるのはいつだって悲しい。相手にとって当たり前のことは、私にとっては当たり前ではない。「わからないことを、わかってるふりしたって、しょうがないもん」と切り返すと「そうだね」と反省したような静かな声が返ってきた。自分にとっての当たり前を他人に押し付けてはいけない。

さて、帰化の話に戻る。

帰化とは、ある一定の手続きを踏んで、自分の持つ国籍とは異なる国籍を取得することを言う。アメリカ国籍の場合、アメリカの歴史と政府/政治に関するテストを受けて合格する必要がある。

日本の場合はもっと厳しい。

まず、身内調査が入る。どんな友人と普段付き合っているか。本人は日本国籍を取得するのに適切な人間かどうか。犯罪歴などがあるとまずアウトだ。それ以外にも、経済的に安定しているかどうか、どれくらい日本に住んでいるのかなど、詳細に調べ上げられる。

身内調査のほかに、言語や日本文化における適性検査がある。いずれかでも引っかかると帰化は許可されない。世界的に見ても、日本は帰化しにくい国らしい。

国籍取得の際に、親が結婚しているかどうかは重要なテーマとなる。

結婚している場合はともかく、結婚していないとなると、国籍取得がうまくいかないリスクが高まる。

フィリピンから日本にやってくる移民の中で、非嫡出子の国籍取得をめぐり裁判を起こす事例がいくつかある。