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AV女優の光を照らす

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「AV女優」の社会学

「AV女優」の社会学

 

 

 

セクシー女優ちゃん ギリギリモザイク

セクシー女優ちゃん ギリギリモザイク

 

 「AV女優の社会学」作者の鈴木涼美さんが調査を重ねた結果が凝縮されている本です。私も一通り読みました。

AV女優というのはひとつの職業です。俳優/女優、モデル、タレント、アイドルなどのように人前での露出を生業とする職業のひとつだと私は捉えます。しかし、なぜかAV女優はほかの職種よりも劣ってる、恥ずかしい仕事であるという共通認識があるように感じる。事実、深夜番組を除くほとんどすべてのテレビ番組は、彼女たちをセクシー女優と呼び、AV女優という言葉を使いたがりません。言葉を言い換えたところで同じやん、と思うのですが。

鈴木さんによると、AV女優というのは今日において競争倍率の高い職種になっているといいます。一昔前は、性産業に従事するということは、何か疚しい事情がある人のすることだというような偏見がありました。(たぶん)でも、多くの女性たちがAV女優になろうとオーディション/面接を受けても、採用者側の基準にそぐわなければあっさりと不採用になる時代です。就職活動と内容は変わりませんね。

AV女優になるのにも熾烈な競争はあるし、女優として働き始めたとしても、そこには序列があるのです。

たとえば、私が興味を持ったのは「AV女優の所属について」の記述でした。AV女優は専属契約、企画単体(通称キカタン)、企画といったような所属先が割り振られます。テレビや紙面媒体にも顔出しをするような有名なAV女優さんは専属契約の女優として働いていることが多いようです。専属契約とは、ある会社が販売するAVにのみ出演するという前提で働くスタイルのこと。そのため、毎月の出演数はある程度固定されるらしいです。企画単体とは、専属契約は結ばず、複数の会社のAVに出演する働き方のことです。そのため、本人の希望次第ではたくさんのAVに出演することが可能なため、専属契約のAV女優よりもお金を稼ぐ人も多いと言います。(などなど正確な情報は本にたくさん書いてあります)

AV女優になったとしても、どのように働くのかは人それぞれです。もちろん序列も存在します。そう考えると、本当にほかのお仕事と変わらないよなって思うんです。

ちなみに、峰なゆかさんのアラサーちゃんシリーズも面白いです。

AV女優としての自身の経験をまさに赤裸々に語っている。知り合いのAV女優の話もちょこちょこ書いてあるし、AV女優をファンタジーとしてではなく、筆者の経験として、職業として、淡々と語っています。それが面白い。

でも、AV女優ってなんか人前では言っちゃいけないワードになってるし、テレビも言わないし、教科書も先生も言わない。それってなんなんでしょう。

モデルや女優のスカウトと偽って、AV女優の仕事を強制する業者のニュースをたびたび目にします。もちろん、それは言語道断。怒りが身体中にほとばしります。犯罪です。

でも、自分の意思でAV女優という職業を選択する人々は確かに存在します。自分の仕事にやりがいを見つけて、自分の仕事に誇りを持っている人々がいます。そのことをもっと語るべきです。闇ばかり探すのは間違っていると思うんです。光だって存在するんです。

というまとまりのない話でした。